拉致事件解決のための政府への要求5か条 

をコンパクトにし「5つの提案」にまとめました。

その文書をpdfファイルにしましたので印刷してご利用ください。  


拉致事件解決のための政府への要求5か条

要求1 :制裁の再開と、より強い制裁の発動


 日本政府は2014年7月4日に、日朝交渉における北朝鮮の拉致再調査にとりくむ態 勢 を 評価 し 、 2006年 か ら北朝鮮に対 して独 自に行っていた制裁を解除しました。

内容は1人的往来の解除2送金・現金持ち出し規制の緩和3北朝鮮船舶の入港禁止条件の緩和の3つです。

 

しかし同意されていた「夏の終わりから秋の初め」の再調査の初回報告は行われず、菅官房長官の言う「常識的には年内」の報告もなく、現状、日本側が一方的に譲歩し、北朝鮮側は、誠意ある対応を一切行っていない事実のみがあります。

 

この状況において、「常識的に」制裁の再開を行うのは当然のことであり、一方的な譲歩に効力がなかったことが明らかになった以上、送金や人的往来の全面停止などより強い制裁の発動の検討をすることで、北朝鮮に圧力をかける必要があります。

 

要求2 :平壌宣言の破棄


日朝平壌宣言は問題が多く、速やかに破棄しなければなりません。

以下問題点を項目毎に述べます。

 

 <第1項の問題点>

 1.双方は、この宣言に示された精神及び基本原則に従い、国交正常化を早期に実現させるため、あらゆる努力を傾注することとし、そのために2002年10月中に日朝国交正常化交渉を再開することとした。

双方は、相互の信頼関係に基づき、国交正常化の実現に至る過程においても、日朝間に存在する諸問題に誠意をもって取り組む強い決意を表明した。

日本人を拉致した事を金正日が認めたにも拘らず、拉致の「ら」の字も宣言の中にはない。

敢えてそれらしき文言を探せば、第1項にある「日朝間に存在する諸問題」であろうか。

北朝鮮から日本に対する問題は拉致があるが、日本から北朝鮮に対する問題とは何なので 

あろうか?是非とも「日朝間に存在する諸問題」とは何か具体的に示してもらいたいものである。

 

 <第2項の問題点>

2.日本側は、過去の植民地支配によって、朝鮮の人々に多大の損害と苦痛を与えたという歴史の事実を謙虚に受け止め、痛切な反省と心からのお詫びの気持ちを表明した。

 双方は、日本側が朝鮮民主主義人民共和国側に対して、国交正常化の後、双方が適切と考える期間にわたり、無償資金協力、低金利の長期借款供与及び国際機関を通じた人道主義的支援等の経済協力を実施し、また、民間経済活動を支援する見地から国際協力銀行等による融資、信用供与等が実施されることが、この宣言の精神に合致するとの基本認識の下、国交正常化交渉において、経済協力の具体的な規模と内容を誠実に協議することとした。

 双方は、国交正常化を実現するにあたっては、1945年8月15日以前に生じた事由に基づく両国及びその国民のすべての財産及び請求権を相互に放棄するとの基本原則に従い、国交正常化交渉においてこれを具体的に協議することとした。

 双方は、在日朝鮮人の地位に関する問題及び文化財の問題については、国交正常化交渉において誠実に協議することとした。?

「過去の植民地支配」という文言に関しては、拉致とは直接関係ないと思われるので、ここでは反論は控えるが、アレン・アイルランドというイギリスの植民地研究の第一人者の著書「 The New Korea 」を参照願いたい。

 一番の問題は、「双方が適切と考える期間にわたり」と書かれていることである。

 この解釈は、北朝鮮がもういいと言うまで未来永劫に渡って、日本は北朝鮮に無償資金協

 力等をし続けるという風にしか解釈できないのである。

 時の首相・小泉純一郎氏はよくもこんな破廉恥かつ屈辱的な事を決めたものである。

 

 <第3項および第4項の問題点>

 3.双方は、国際法を遵守し、互いの安全を脅かす行動をとらないことを確認した。また、日本国民の生命と安全にかかわる懸案問題については、朝鮮民主主義人民共和国側は、日朝が不正常な関係にある中で生じた

このような遺憾な問題が今後再び生じることがないよう適切な措置をとることを確認した。

 

4.双方は、北東アジア地域の平和と安定を維持、強化するため、互いに協力していくことを確認した。 

双方は、この地域の関係各国の間に、相互の信頼に基づく協力関係が構築されることの重要性を確認するとともに、この地域の関係国間の関係が正常化されるにつれ、地域の信頼醸成を図るための枠組みを整備していくことが重要であるとの認識を一にした。

 双方は、朝鮮半島の核問題の包括的な解決のため、関連するすべての国際的合意を遵守することを確認した。また、双方は、核問題及びミサイル問題を含む安全保障上の諸問題に関し、関係諸国間の対話を促進し、問題解決を図ることの必要性を確認した。

 朝鮮民主主義人民共和国側は、この宣言の精神に従い、ミサイル発射のモラトリアムを2003年以降も更に延長していく意向を表明した。

「互いの安全を脅かす行動をとらないことを確認した」はずなのに、「核問題及びミサイル問題」のことも謳われているのに、宣言締結後に何度も、日本海や太平洋に向けてミサイルを撃ち、核実験もしている。

日本は何故この宣言に違反したのだから、平壌宣言は無効であると言わないのであろうか?

何故平壌宣言の破棄を北朝鮮に通告しないのであろうか?

 

要求3: 拉致実行犯・協力者の摘発・逮捕

 

拉致実行犯・協力者は、摘発・逮捕が不可能な北朝鮮在住の者は国際指名手配され、可能な日本在住の者は放置されているのが実状です。

 

日本人拉致に関する情報を収集するため、また北朝鮮に圧力をかけるためにも、日本国内の拉致実行犯・協力者の摘発・逮捕を速やかに行わなければなりません。

 

要求4: 対北朝鮮交渉の担当者の固定

 

拉致問題担当大臣、対北朝鮮交渉の担当者は短期間で交代することが多く、交渉の継続性は毎回断ち切られており、ほとんど成果はあがっていません。一定の成果をあげるためには、ある程度の期間、実績のある人に責任を持たせて、継続的な交渉を行わせる必要があります。

 

その際国民集会などで、内閣総理大臣を含めて、いつも満場一致で言われているように、オールジャパン体制で行う必要があり、与野党の枠を除き、実績重視の人選を行わなければなりません。

 

要求5 :北朝鮮に対する態度を硬化させたアメリカとの共闘

 

現在世界的に、イスラム国や北朝鮮などのテロ国家に対する批判が強まっています。従来融和的だったオバマ大統領すら、 2015年 1月 22日のユーチューブのインタビューで、北朝鮮の崩壊を示唆し、情報戦で北朝鮮に変化をもたらすべき、と言っています。

 

日本政府は、情報戦における、より強力な連携をアメリカととれるように働きかけるべきであり、北朝鮮をテロ支援国家へと再指定するように要請しなければなりません。